2018.2.5
2006年の映画『パフューム ある人殺しの物語』を今更ながら初めて観ました。
正直あんまり興味が無かったのです。「香水」と「殺人」って結びつかないですからね。
でも、色々な方とお話ししていると、結構話題に挙がることが多くて、公開から10年以上経ってようやく観ることにしました。
「・・・。あれは香水では無くて、人エキス混合物だな。」
若い女性からにおいを採るという内容は聞いていたのですが、究極の香水ってそういうものだったのですね。13番目の香料だけかと思っていました。
でも良かったところもあって、それはダスティン・ホフマン演じるイタリア人調香師バルディーニのお店の映像化です。
これはイタリアからカトリーヌ・ド・メディシスとともにパリへやってきた調香師ルネ(レナート・ビアンコ)が、シャンジュ橋の上にお店を持っていたという史実を参考にしているシーンです。
絵では残っているのですが、当時の写真は無かったので、雰囲気が伝わり良かったです。(さらにオーディオ・コメンタリーで、川の上は湿気が酷くて良い環境とはいえないことがわかりました)
さて私たちの商品J-Scentには、肌の香りをイメージした「和肌(やわはだ)」という商品があります。
川端康成の小説『眠れる美女』をモチーフにした香りで、鼻腔をくすぐるようなフルーティな香り立ちから、日本人の主食である米の香り、小説に登場する一人目の美女で言及される「乳臭さ」を取り入れたミルキーな香り、そして米やミルク、肉感を想起させるサンダルノートと、肌馴染みの良いムスクの香りを組み合わせた香水です。
では、もし『パフューム ある人殺しの物語』をイメージした香水の制作を依頼されたとしたらどうするでしょう?
映画を観る限り13人の人エキスは臭そうな香りですが、最大限ポジティブな部分を引き出して、当時使われていた髪粉の成分や、ファッティなアルデハイドアコード、グラースの代表的な花ジャスミンの香りなどを使って、こってりした香りにするかもしれませんね。
三代目エヴァリュエーター