折りたためる扇子は日本独自の形で、約1200年前の平安貴族たちに愛用されてきました。おしゃれアイテムとして季節ごとに素材を変えたり、和歌や香りを焚き染め、恋する相手へ想いを伝えるコミュニケーションツールとしても使われました。後に中国を経由し、欧米へ紹介され、西洋貴族社会でも重宝されました。
扇面は京都、扇骨は滋賀の材料で仕上げた扇子です。京都の扇子組合に加入しているメーカーのみが製作し、その名称を使えます。製作工程は87もあり、“京仕事”と呼ばれる、熟練した職人たちの分業制度によって、高い品質を保っています。